75周年ご挨拶
当社が生まれた昭和25年は、戦後復興の真っ只中でこれから日本がどうなっていくのかなど、誰も予想できない時代でした。しかし、焼け野原に立った私の祖父がその胸に描いたのは、「これからの時代を築いていくのは子どもたちだ。そのための教育機関がこれからの社会を築く基盤となる」という、日本全国にたくさんの学校が作られていく風景でした。
そこから当社の黒板メーカーとしての歴史がスタートし、IT・デジタル技術の進化を受けて先代社長である私の父が、プロジェクターを投影できる電子黒板を開発し、教育現場に新たな価値を提案しました。
日進月歩で進む技術と減少の一途を辿る子ども達を目の前に、私が思うことはより良い「学び」の体験の創造です。全ての革新的なアイデアもイノベーションも、感性を揺さぶり記憶に残る刺激的な学びの体験なくしては生まれることはなかったはずです。
だからこそ私たちは、これからの社会を担う子どもたちが自由な創造性をもって自分たちの人生を、そしてこの社会を作り上げていける力を養う機会として、一つ一つの授業において価値ある体験を提供していきたいと考え、そのためのツールとして新たな黒板の形を追求しつづける所存です。
3代目の私の時代にこのような節目を迎えることができたことを大変光栄に思うと同時に、新たな教育を形作る一助を担う大きな責任を双肩に感じながら、いっそう勇往邁進してまいりますので、今後も温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長
北島 良則
昭和
昭和25年に祖父が徳島県徳島市にて北島黒板製作所を創業。戦後復興の最中、全国に学校が次々に建設される波を受け事業は軌道に乗り、大阪・和歌山での新たな拠点開設や工場増設を続けて順調に成長を遂げました。
黒板製造メーカーとしてだけでなく、顧客のより深いニーズに応えるサービスを提供するため内装や造作家具の製造・施工へも事業を拡大し、徳島県内を中心とする学校や医療施設、ホテルなどへと販路を広げていくことに成功しています。
平成
デジタル領域におけるイノベーションや教育を取り巻く環境の変化を受け、より付加価値の高い次世代型黒板や教育設備の開発に注力し始めました。
2代目社長の類を見ない着眼点と想像力により次々と革新的な製品が誕生し、自社の開発チーム内は昼夜問わず活発な議論が繰り広げられる日々が続いたそうです。
良則が3代目社長に就任し、学校以外にも塾やフリースクールなど学びの場も形態も多様化が進む中で、生徒に対しより印象的な学習体験を提供する電子黒板に着目。これまでのプロジェクター投影型黒板に加え、黒板上でのオンラインとオフラインの操作が可能となるタッチスクリーン技術を導入した電子黒板など、新たな技術を迅速に取り入れ、生徒はもちろん授業を行う教員の業務負荷の軽減にも貢献する黒板の開発を実現しています。県外の大学からの大口発注をはじめとし、多くの教育現場から好評を博す製品として成長し、当社の主力製品となっています。
今後の展望
新たな「学び」の体験を提供できるような製品の開発に加え、多種多様な設備や家具の製造実績を重ね、顧客のビジネスや要望に最適な空間をトータルで提案・実現できる体制を目指します。
事業の成長・拡大を進めると同時に、地域社会と地球環境に配慮したビジネスモデルの構築を図り、黒板や家具に使用する資材となる木材の植林事業や徳島県産木材を使用した資材開発にも積極的に取り組むことで、持続可能な企業経営の基盤を強化していきます。